良いんだ、これ。
すごくライトタッチなんだけど、それは著者が意識してのものだ。
だから、スラスラ読めるんだけど、本格度はけっこう高い。
著者の短編では、「落語」シリーズも面白いんだけど、こっちの方が私は好きだ。
ひょうひょうとした主人公が、さまざまな形で事件やトラブルに巻き込まれる。
そして、何となく、という感じでそれを解決しちゃう。
この作品スタイル、主人公の印象、そして短編オンリーであることなど、泡坂「亜シリーズ」を思わせる。
多分、著者はちゃんと意識していると思う。
個人的には、銀行強盗のエピソードがよかった。
最後まで、どう収集がつくのか予測しづらい。
それでいて、きちんと収束するという、目の前で神業を見せられたような気分だ。
そう、本書の作品はどれも、小ネタである。
だが、そのプレゼンテーションの仕方がすばらしい。
まるで、上手なクロースアップ・マジックのようだ。
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白戸修の事件簿 (双葉文庫 お 20-2) 文庫 – 2005/6/1
大倉 崇裕
(著)
第20回小説推理新人賞受賞「ツール&ストール」を含む連作短編集。主人公・白戸修がスリ、万引、ストーカー、銀行強盗など、次々と事件に巻き込まれる。手に汗握る展開でありながら、ユーモアがあり、ハートウォーミングな新しいタイプのミステリー。
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2005/6/1
- ISBN-104575510157
- ISBN-13978-4575510157
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2005/6/1)
- 発売日 : 2005/6/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 341ページ
- ISBN-10 : 4575510157
- ISBN-13 : 978-4575510157
- Amazon 売れ筋ランキング: - 417,519位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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2015年11月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
届いた日に開封し、中を点検したところ、初ページより左右の下側に湿気及び濡れた後による皺が発生してました。
2005年9月26日に日本でレビュー済み
主人公のヌケ具合が好きです(笑)
ちょっと格好良くなる時はありますが、何か別人みたいで...
主人公の人の良さが災いして、殺人から万引きまで色々な事件に巻き込まれて”あわわ”しちゃう短編集なのですが、後味の悪い作品はありません。
私は、安物だけど就職用にようやく買ったスーツの、ズボン丈が"つんつるてん"だったところから始まる話がお気に入り。最後もさりげなく決まっていて...脇役が良い味を出しています。
主人公がちょっと娘にバカにされそうなオトウサンになるくらいまでは、このシリーズがこの調子で続いてほしいです♪
ちょっと格好良くなる時はありますが、何か別人みたいで...
主人公の人の良さが災いして、殺人から万引きまで色々な事件に巻き込まれて”あわわ”しちゃう短編集なのですが、後味の悪い作品はありません。
私は、安物だけど就職用にようやく買ったスーツの、ズボン丈が"つんつるてん"だったところから始まる話がお気に入り。最後もさりげなく決まっていて...脇役が良い味を出しています。
主人公がちょっと娘にバカにされそうなオトウサンになるくらいまでは、このシリーズがこの調子で続いてほしいです♪
2012年4月18日に日本でレビュー済み
著者は警察雑誌(そんなのがあるんだ!)編集部に勤めていたそうで、身近な犯罪の手口をさらりと解説しつつ、軽いタッチの犯罪小説に仕立てています。
軽い、といっても中身が薄いという意味ではありません。
旧き良きミステリの香りがするような、どこかイギリスっぽいような、そんな感じの上質エンターテインメント。
子どもでも楽しめる間口の広さを持ちつつ、本にうるさい人も納得させるんじゃないかなあと思います。
なかでも『ショップリフター』(*万引きのこと)が秀逸。
軽い、といっても中身が薄いという意味ではありません。
旧き良きミステリの香りがするような、どこかイギリスっぽいような、そんな感じの上質エンターテインメント。
子どもでも楽しめる間口の広さを持ちつつ、本にうるさい人も納得させるんじゃないかなあと思います。
なかでも『ショップリフター』(*万引きのこと)が秀逸。
2010年3月22日に日本でレビュー済み
一見どこにでもいるフツウの大学生が巻き込まれる事件簿。
そう陰惨な事件は起こらないが、のんびりとした語り口と、
主人公のお人好しなのんびりした感じ、の割には時に鋭く事件を解決する、
その爽やかな語り口がスマート。
ただのほのぼのではなく、スリのやり口や万引きGメンの詳細など、
描かれるべきところはきちんと抑えてあるので説得力もある。
安心しながらも読みごたえもあり、なかなかの良書。読んでよかった!
そう陰惨な事件は起こらないが、のんびりとした語り口と、
主人公のお人好しなのんびりした感じ、の割には時に鋭く事件を解決する、
その爽やかな語り口がスマート。
ただのほのぼのではなく、スリのやり口や万引きGメンの詳細など、
描かれるべきところはきちんと抑えてあるので説得力もある。
安心しながらも読みごたえもあり、なかなかの良書。読んでよかった!
2008年5月15日に日本でレビュー済み
2002年に出た『ツール&ストール』の改題・文庫化。
巻き込まれ型の主人公・白戸修の登場する5本の短篇が収められている。
スリ、万引き、ストーカーなど軽犯罪がテーマとなっているのが珍しい(銀行強盗を扱っているのもあるが)。著者が警察雑誌の編集をしていたという経歴ならではのものだ。
スリの技術とか、万引きの実態とか、ちょっと知られていないような話が興味深かった。また、話の作り方も、巻き込まれ型というだけあって、最後まで展開が読めない。ミステリとしての出来も上々と思う。
これからも頑張っていって欲しい主人公だ。
巻き込まれ型の主人公・白戸修の登場する5本の短篇が収められている。
スリ、万引き、ストーカーなど軽犯罪がテーマとなっているのが珍しい(銀行強盗を扱っているのもあるが)。著者が警察雑誌の編集をしていたという経歴ならではのものだ。
スリの技術とか、万引きの実態とか、ちょっと知られていないような話が興味深かった。また、話の作り方も、巻き込まれ型というだけあって、最後まで展開が読めない。ミステリとしての出来も上々と思う。
これからも頑張っていって欲しい主人公だ。